「静かな躍動」


2021, July 10



外に向かって広げないってたぶん難しいこと。今まで外にばかり発信してきた。これを止めたら周りから人が消えていく恐怖、周りの人と違うことを進める恐怖、止まる罪悪感。世界に対する違和感と、もう決して団結しない新しい人たち。心の世界すら、団結しようとしてる。虚無を"有益な情報"と自分が望む愛で埋めようとする。直近の生活と自分の家族が少しでも安心できるようにと。でも心の世界ってそんなことでは埋まらない。

これまでの人を解体していく。繋がることで、数を得ることで、発信することで、情報を得ることで、どれだけ社会に貢献できたかの幻想と、自分が信じる正義を体感したくて、それを掲げ、心の世界を埋めようとしてきた。自分の信じるものを正当化させて、それを周りに広める。自分の家族たちだけを守り、同時にこの世界に悪を創り、不幸せを創った。日常の隅々にまで。自分の集団はピラミッド化していった。そこでは、毎回正義と悪が巧妙に入れ替わる。でも、ずっとそれだけ。

そこから抜けることは、決して目立たない。声を上げることなんかじゃない。空から声が聴こえたとしても、空の声の代弁者になることじゃない。その声の母は何も言わずに、全体で全体を包んでいく。

音はそれができる。音楽は個が創作するようなものではないから。個が全体の中に溶けていって、わたしたちが音を創っている。それが流れ流れ、人を個から全体へと回収していく。その音を送る僕は、その音を僕のものにすることはできない。ある人は商品にしようとする。ある人はファッションにしようとするけど、見た目だけで、音は決してそうなっていない。心の中に音がある以上、夢の中で音が聞こえる以上、もうそれは個人のものにすることはできない。

自分が今発信している以上、全体に流れていく躍動の中で、流れ込む音を僕のものにせず、できるだけ、純粋な流動の中に解き放してあげたい。



© 2021 I'mbient.

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